抵当権がある場合の対処と注意点
不動産を所有する場合には、抵当権に関する注意が必要です。抵当権というのは、金融機関などが設定している債権のことを指すことが多いです。
例えば金融機関は、お金を貸す時に不動産を担保に入れてもらうことがありますのでこれを保証として権利を設定しておくことによって、不良債権になってしまうリスクを抑えます。土地を所有している側で注意しなくてはいけないのが、後々で不動産の取引を行うときにこの権利関係の抹消手続きが存在するかどうかという点を確認しなくてはいけない点です。
当然ですが、金融機関が設定していた権利ですのでこれがついていると取引にトラブルが生じてしまう可能性も存在します。実際に、相続などがあった場合でもこういった権利関係については必ず手続きをする必要があります。
自分から抹消手続きのための費用などを支出して対処をしていく必要がありますので、不動産に関しては権利関係についての整理を必ず考えなくてはいけません。
不動産の相続登記の義務化とは。いつ実施される?
不動産について相続が生じたとしても、従前は登記をしなくても法的には問題がありませんでした。しかし、その結果相続が生じても登記をしないまま長期間経過し、権利を有しているものが多数生じて処分することが困難な不動産いわゆる「所有者不明土地・家屋」問題が社会問題となっています。
そこで、「所有者不明土地・家屋」対策として、相続登記の義務化の規定が創設されました。不動産について相続が生じた場合、正当な理由がある場合を除いて原則として3年以内に登記を申請しないと10万円以下の科料に処すという内容です。
また登記の代わりに法務局への相続が開始した旨の届け出制度も創設され、届出をすれば登記をしなくても義務は免れます。従って、遺産分割協議がまとまらず登記できなかったというのは正当な理由になりません。登記はできなくても届け出はできるからです。
なお施行日は令和6年4月1日とされていますので、相続登記の義務化の実施日は令和6年4月1日となります。しかし、この義務化は施行されると施行日前の相続についても対象とされていますので、例えば令和4年1月1日に開始した相続についても、施行日以降は義務化の対象となります。